社会人・現場2年目。
自らの成長が所長への何よりの恩返し
黙々とカタチに残るものをつくる。就活の業界研究でCADを発見
大学は心理学を学びたくて文学部人文社会学科へ進学。そして迎えた就職活動。文系の募集というと、やっぱり営業職が多い。でも私はモノ売りには向いていない。どちらかというと、黙々とカタチに残るものをつくりたい。さて、どうするか。そんな志向を辿って、辿り着いたのがCADでした。
就職ナビの業界研究で建設業界に技術サポート(CAD事務)という職種があり、「あっ、たぶん、これだ!これなら出来そう」と。募集記事の数社を比較検討してWATに決めました。理由はやっぱり研修の充実。各社のホームページをみましたが、WATのホームページは研修の内容までとても詳しく書いてあり、「本当にちゃんとしているんだ」と思えたんです。
実際に研修を受けた感想としては、とても丁寧で質問しやすい。私の専攻した設備CADはI先生。専門用語などの基礎知識から現場での経験談まで丁寧に教えて下さいました。もし、あの研修がなかったらと思うと…、たぶん現場では“いるだけで邪魔”な存在になっていたと思います(笑)。初めての現場でも立ち回れる最低限の知識を授けて下さったことにとても感謝をしています。
様々な要素を考慮して、施工可能な図面を描く
私は現在、3か所目の現場にいます。ひとつ前の現場で、テレビ局の倉庫の新築工事を担当していた時のことです。その現場は施工図担当の方が常駐していない現場でCADオペレーションは私ひとり。所長が手描きで描いて下さるラフ図を図面に落とすのが私の仕事でした。前の現場で積んできた経験を活かせるか。それが試される現場でもありました。
そんなある日、描いた図面に修正なしでOKが出たんです。特に誰かにほめてもらったわけでもないんですが、嬉しかった。「ちょっと慣れて来たかな」と。実はここまで来るのに1年間掛かりました。
研修と現場の違い。それは想定される要素が違うんです。研修では配管のつなげ方等、基礎的なことは学べます。でも実際の現場では、図面上では収まっていても、配管に保温材が巻いてあるので“もっと太い”とか、電気との兼ね合いとか、様々な要素が出現します。研修で先生の経験談では聴いていても、やはり自分の経験ではないので、それを即座にイメージすることはむずかしい。
様々な要素を考慮して、施工可能な図面を描く。ただ収まっているだけのお絵かきではダメ。そんなスタート地点までに1年掛かりました。
実はここまで来られたのは、最初の現場でお世話になった所長のひとかたならぬ、お力添えがあったからなんです。社会人1年目、現場1年目の私を辛抱強く育てて下さいました。現場のこと、人との接し方…etc、そして図面。
まずは自分なりに描いてみて所長にみせる。「施工的にむずかしいな。なぜなら…」と解説入りで再修正指示。その繰り返し。もちろん自分でも調べながら描いて再提出。そんな最初の現場での培った経験を経ての2つ目の現場だったんです。だから修正なしでOKが初めて出た時は嬉しかった。最初の現場でお世話になった所長に真っ先に報告したい気持ちでした。
1年目から育てて下さった所長への恩返しは、やっぱり自身の成長
そんな私は現在、3か所目の現場にいるわけですが、なんとその現場、最初の所長の現場なんです!所長から呼んでいただきました。営業のYさんと最初に訪問した時は「お久しぶりです!」と平静を装っておりましたが、内心は「こんな私でいいんですか…」と。でもそれを言うと、この話自体がなくなっちゃうんじゃないかって(笑)、黙っていました。
1年間みていて下さったことが何よりも嬉しく、呼んで下さったことに感謝をしながら、やっぱり恩返しは私自身の成長のはず!と思っています。
今後の目標は、条件や部材など様々な要素・可能性を先回りして、図面を描けるようになること。中学、高校でバスケ部、テニス部と運動部にいましたが、その時もやっぱり「ここからのシュートは、ちゃんと入れられるようになる」というように、その都度、自分の目標を決めて取り組んでいました。この仕事も同じように、自分でステップを組み立て、着実に成長していきたいと思っています。
最後にこれから建設業界を検討している女性の皆さんへ。建設というと男性の職場イメージが強いと思いますが、それは過去のイメージです。現在は女性の職人さんだっています。もちろん女性の更衣室もトイレもあります。安心して入って来て下さい。