自らの力で自らを成長させる能力を身につける
モチベーションを上げさせることが研修で最も重要なことだと考えています。モチベーションというのは勝手には上がらない。幼い子供は「頑張れよ!」と声を掛ければ「うん!」と心地よい返事が返って来る。でも、大人はそうではない。では大人にとってモチベーションを上げるのに必要なものは何か?それは「自信」です。
昨今の若者の傾向として自信の低下があげられます。「自信」がないから頑張れない。そこそこ真面目で、そこそこは頑張っているが、更にどう頑張ればいいのか迷っているという若者が多いわけです。
まず、それに対して「知識」を教える。「知識」というのは、様々な局面で答えを出すための根拠となるもの。根拠とは自信そのものですよね。だから、研修では知識を根拠としてアウトプットすることを大切にしています。課題について自ら考え、根拠を持って答えを出す。このアウトプット作業を繰り返すことで、それが「自信」となります。
仕事というのはアウトプットです。研修生にもよく言います。「やったことのないことをやるのが仕事なんだ」と。現場に出れば、常にアウトプットを求められる。だからここで、そのやり方を学んでほしい。そして、それは自らの力で経験を獲得し、自らを成長させる能力でもあるのです。
むずかしい内容に対して、わかりやすい授業。専門学校のようです
印象的なのは鉄筋工事の「配筋」。「配筋」とは、鉄筋コンクリート造でコンクリートを流し込む前に骨組みとなる部分を鉄筋で組上げることで、建物の構造強度に対して鉄筋の径や鉄筋の間隔が決まっています。最初の授業だったのですが、「むずかしいことをやるなあ」というのが第一印象。
実は私、新卒入社で2年間、施工管理経験があるんです。その上でもこれは結構むずかしい内容。コンクリートの積算ひとつとっても専門的。持ち上げるわけではないですが、むずかしい内容に対して、授業はとてもわかりやすいです。まるで専門学校に通っているみたいで、しかも給料が出ているという、有難い話。
「ここ試験にでるからね~」なんて、学生以来、聞いていないフレーズですよね(笑)。でも、この「試験」とは一級・二級建築士や一級・二級施工管理技士のこと。現場での知識だけでなく、資格取得も前提の授業なんです。
メロディを支える豊かなハーモニー。職場でもそんな風に生きていきたい
就職活動では営業職とかも色々とみました。でもモノを売るスペシャリストに自分がなるとは、とても思えなかった。中学高校は吹奏楽部、大学は美術部。やっぱり、ものづくりが好き。特に吹奏楽で経験した「大勢でひとつのものをつくる喜び」というのがルーツだと思っています。 文系でもイチから教えて下さる環境には心から感謝。毎日新しい発見があります。CADも最初の1週間は線と四角しか描けなかったのが段々家のカタチになり、それも効率的に描けるようになっていく。授業の中でも建築の授業が好き。建築の知識と並行してCADを覚えていけるので理解が早い。O.S先生の授業がなかったら線一つひとつの意味もわからなかったと思います。同じ職場で働く人に「君が来てくれてよかった」と早く言われるようになりたい。やっぱり、みんなの支えになるのが自分のやりがい。吹奏楽でも主旋律より2ndや3rdのパートが好きでした。メロディを支え、豊かなハーモニーを奏でてひとつの演奏をつくる。職場でもそんな風に生きていきたいと思っています。
12年間みた父親の背中。今度はそれを自分が自分の子供にみせたい
建築を選んだのは小学6年生の時に亡くした父の存在が大きいです。子供の頃から警察官になりたかったので公務員試験の勉強もして試験も受かったのですが、就職活動でよく考えた結果、職人として生きた父の背中を追うことに決めました。父は電気工事の職人で祖父母が経営する会社で仕事をしていました。祖父母とも話して、「Y.Nは電気より建築の方が向いているのでは」というアドバイスも貰い、最後は自分で決断をしました。大学が法学科。でも、WATは文系からでも技術者を目指せる。他社と比べても圧倒的に研修が充実している。研修は1週間があっという間。もう2か月も経ったということが嘘のようです。学生時代の授業というと“眠い”イメージでしたが。今は「学びたい」「学ばせて貰っている」という意識があるからだと思います。この仕事は資格を持っているのは当たり前。どこまで行ってもゴールというものがない。父もそう生きた、と母から聞いています。12年間みた父親の背中。今度はそれを自分が自分の子供にみせたい。そしてこの仕事を通して、より多くの人の役に立ちたい。そう思っています。