塾講師からの転身。未経験でも安心して始められる研修制度と会社風土
大学1年生から卒業後まで5年間、塾の講師の仕事に明け暮れていました。学生時代の4年間も週6で働いていて、学校の単位はぎりぎり。なんとか卒業した感じですね。もちろん就活をする暇もなく、卒業後もそのままアルバイトで働いていました。ずっと塾からは
“社員になってほしい”というオファーもありましたし、東証一部に上場している規模の塾ですから安定もあったかもしれません。でも、とにかく休みがない。それで最後は体を壊してしまったんです。親にも「少し休みなさい」と言われ、塾を辞めてこれからについて考えました。5年間の仕事体験から学んだのは、就職する会社は業種や職種ではなく、会社ごとの風土と仕事環境をよくみて決めること。それを念頭に就職活動を始めました。
人とのコミュニケーションは好きだし、体を動かすのも好き。営業やシステムエンジニアなど、いろいろな職種・会社をみて、ここだ!と思ったのがワット・コンサルティングです。建設業界を全く知らない自分のような未経験者でも始められる充実した研修制度も魅力でしたが、何より面接でお会いした社員の方の人柄に安心感のある会社風土を感じました。
仕事というのは興味を持つことで、惹きつけて、楽しむ。それが基本
設備の研修は覚えることが多いです。だから、理解できなければ理解できるまで何度でも訊く。先生はその度に丁寧に教えて下さいます。とても恵まれた環境でしたし、今も先生に感謝しています。
新しい知識を覚えれば、そこに興味が生まれますから、それを楽しめばいいんだと思います。例えば、自分の部屋のクーラーをみて、こういう仕組みで動いているんだな、とか。身近なもので楽しみながら復習している。仕事というのは興味を持つことで、惹きつけて、楽しむ。それが基本だと思います。そうすれば、初めての分野であっても苦ではない。
研修期間に同期と水族館に遊びに行ったんですが、二人とも天井の配管とかをみていて「職業病だね」って笑ったんです。だって水族館に行ったら、普通は魚をみますから(笑)。そんな感じで2カ月の研修は、じっくり、しっかり学ぶことができました。
一番大事なことは、現場で関わるすべての人と仲良くなること
現場に出て感じたことは、「研修では基本はさらっとしかやっていない。むしろ、数年経った後に自分がリーダーシップを持って現場を動かす時に必要になる知識に重点を置いて教えて下さっていたのだな」ということです。だから現場に出てすぐは「ああ、これ授業の最初の方にやった、あれだな」という風に基本知識は、おさらいをするように思い出していました。
基本知識の補足は職人さんに訊いて覚える。だからコミュニケーション力はないと厳しいと思います。自分の担当である空調衛生設備だけでなく、建築や電気設備の人とも話さなければいけませんしね。例えば、スリーブと言って鉄筋コンクリートの壁、床、梁などにあらかじめ埋め込んでおく筒状のスペースがあるんですけど、コンクリートを流し込んだ後に、それが仕込んでいないとなると大変なことになる。工事のやり直しですから。でもコミュニケーションが取れていれば、「スリーブ、忘れてない?」って職人さんから声を掛けて貰えたりもします。もちろん忘れていてはいけないんですけど、何百箇所もありますからね。そういう声を掛けて貰える関係性は大事だと思います。
そして何よりもコミュニケーションをしっかり取っていれば、わからないことがあった時にいつでも訊けますから。現場で関わるすべての人と仲良くなることは、最初に現場に行った時に一番大事なことです。それに気が付いてからは、初めて会う職人さんへの挨拶から始まって、日々のコミュニケーションを徹底的にやっています。
“訊ける”っていう関係は言い換えれば、“対等な関係”であるということだと思うんですね。その相手と“対等な関係”になるためには、自分がやるべきことをやっていないと、そうはなれない。だから日々、「自分がいま何をすべきか」に向き合っていないとダメです。
職人さんの中には“こわもて”の人もいますけど、コワいからって目を背けてはダメ。むやみに物を言ってくる人なんていません。必ず、そこには意味があります。その意味から目を反らしたら事故になります。常に意味から目を反らさないこと。そんな感じでやっています。
今後はまず目前の目標として、二級施工管理技士の資格を取得することですね。そして、現場の流れがわかったら、次は図面。施工図の直しとか「自分にやらせて下さい」って積極的に取り組んでいきたいです。一人前というのがどこからかもわからないですけど、「できていないことを、できるようにすること」「目前の目標を達成して、次を目指すこと」、そうやって成長を続けていきたいと思っています。